(1907年3月29日・官報)
(法律)
天皇は、帝国議会の承認を経た「韓国森林特別会計法」を裁可し、これを公布する。
(御名御璽)
明治40年(1907年)3月28日
内閣総理大臣 西園寺公望
大蔵大臣 阪谷芳郎
法律第24号 韓国森林特別会計法
第1条
鴨緑江および豆満江沿岸の森林を経営するため、特別会計を設置する。
その事業による収入をもって支出に充てる。
第2条
この特別会計の資本金は120万円とする。
その半額は韓国政府の分担金によって賄う。
(以下略)
◾️ 「韓国」とは何か
ここでいう「韓国」は大韓帝国を指します。
当時はまだ日本に正式併合(1910年)されていませんが、すでに強い影響下にありました。
◾️ 日露戦争後の支配強化
この政策の直接的背景は日露戦争です。
戦争後、日本は朝鮮半島における影響力を確立し、
- 1905年:保護国化(第二次日韓協約)
- 統監府の設置
といった支配体制を整えていきます。
3. 森林資源の経済的価値
鴨緑江・豆満江流域は
- 良質な木材資源
- 水運による輸送の容易さ
から、極めて重要な資源地帯でした。
木材は当時、
- 鉄道建設
- 鉱山開発
- 軍需
に不可欠であり、日本にとって戦略資源でした。
◾️ 「特別会計」の意味
特別会計とは、
- 特定の事業を独立採算で運営する制度
です。
この法律では、
・森林経営を「収益事業」として運営
・収入(木材販売など)で支出を賄う
という、植民地資源の経済的収奪システムが制度化されています。
◾️ 韓国政府の「分担金」
注目すべきは、「資本の半分を韓国側が負担」とされている点です。
これは形式上は「共同事業」ですが、実態としては
- 日本主導の開発
- 韓国側の財政負担
という不均衡な関係を示しています。
■ まとめ
この法律の本質は次の通りです。
- 朝鮮北部の森林資源を開発する制度を創設
- 日本主導で経済的に運営(特別会計)
- 韓国にも費用負担を課す
- 日露戦争後の支配強化の一環
つまりこれは、植民地化へ向かう過程での資源支配の制度化を示す重要な史料です。

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