1906年04月11日 東京市場・現物の中値

1906年

引用:新聞集成明治編年史 第十三卷 P.76

(各銘柄の株価・取引価格:額面50円株)
  ・東京株式      356円
  ・東京米商      147円
  ・東京瓦斯(ガス)   70円
  ・東京竜灯(電灯会社) 91円
  ・日本麦酒(ビール) 166円
  ・宝田石油      114円

■ この記事は「株価一覧」

 この記事は 1906年(明治39年)4月11日の東京株式市場での株価(現物取引の中値) を伝えるものです。
「額面五十円(五十圓)」とは、当時の株式の標準額面が 50 円であったための表記で、株価はいずれも額面を大きく上回っています。(この時代の株は額面の数倍で取引されることが一般的でした。)

■ 掲載銘柄の説明

 ●東京株式
  当時の金融市場を代表する有力株の総称で、現在でいう TOPIX コア銘柄のような扱い。
 ●東京米商
  米穀取引所など米穀関連事業の会社。米の流通は国家的産業だったため、安定株として知られた。
 ●東京瓦斯(東京ガス)
  現在の東京ガス。都市ガス供給事業の拡大期で、電灯会社と競合していた。
 ●東京竜灯(竜灯会社)
  電灯事業会社。明治後期は電灯・電力事業の創成期で多くの電灯会社が乱立していた。
 ●日本麦酒(日本麦酒醸造:のちのサッポロビール)
  ビール需要が都市で拡大しており、比較的人気銘柄。166円と高値で、ビール産業の成長がうかがえる。
 ●宝田石油(宝田石油会社)
  日本最古の石油会社(のちの日石へ統合)。当時の日本は石油を国内でも産出していたため、株価も注目された。

■ 当時の株式市場の状況(1906年前後)

 ●日露戦争後の「戦後経済ブーム」
  1905年の日露戦争勝利により、国際的信用が上昇し、産業界は活気づきました。
  そのため株式市場も上昇傾向にあり、掲載銘柄の株価も高水準になっています。
 ●ただし1907年には「恐慌」(明治40年恐慌)が発生
  この記事の1年後に 「明治40年恐慌」 が起き、これらの株価は大きく下落しました。
  この記事はその 直前の好況期の株価 を示しているため、比較的高値で推移しています。

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