1905年09月02日 屈辱講和で株式大暴落

財政・経済

引用:新聞集成明治編年史 第十二卷

1905年09月02日 東京朝日新聞
講和による屈辱のために、一般の商売は急激に沈み、銀行の取り締まりもますます厳しくなりました。有価証券への貸し出しもほとんど停止の状態になったため、昨日の新株発会の株式市場は、純粋な恐慌の状態でした。一時は買い手が自殺し、売り手が突進するという、恐ろしい状況が続き、株価は次々と暴落し、悲惨な光景となりました。
また、聞くところによると、市場の一部には、少しは講和条件に望みをかけている人もいるようですが、逆に全く賞金がないような状態であるとも言われており、それを喜んで見ている者もいます。ただし、こうした者たちが夢から覚める日には、さらに株価は下落するのではないかと憂えている者もいます。
今、東京株式取引所の昨日の株価と、10月期の株価を比較し、その差額を示すことで、国民がどの程度講和条件を望んでいるのかを見せたいと思います。
【株価一覧】
日本鉄道 1.70
北海炭鉱 4.00
炭鉱新 4.20
東京電車 1.55
日本郵船 3.50
富士紡績 3.75
日本精製糖 7.00
製糖新 6.25
東京株式 14.90

ロシアからの賠償金はゼロでしたが、本記事によると経済に詳しいと思われる国民でさえ、その事実を把握できていない人がいる様子が分かります。

また、単位は円/株と思われますが、当時から株の取引も活発であり、自殺者も出るほど非常に混乱している様子が伺えます。

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